ハンバーガーや牛丼など、注文したらすぐに商品が出てくるおなじみのあの食べ物、みなさんはどのように呼んでいますか?

ファーストフード?

それとも

ファストフード?

「ファーストフード」という人もいれば、「ファストフード」と、「-」と伸ばさずに発音する人もいますよね。

同じものをあらわしているはずなのに、なぜこのような違いがでてきたのでしょうか?

また、どちらが正しい発音なのでしょうか?

今回は「ファーストフード」(いや、「ファストフード」?)の疑問に迫ってみたいと思います!

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ファーストフードとファストフード、どちらを使っていますか?

ハンバーガー

出典:photo AC

「ファーストフード」と「ファストフード」、日本で使われている比率が高いのは、「ファーストフード」です。

ある調査によると、日本人の72%という圧倒的な支持があるのだとか。

それにしてもこのことば、由来は何なのでしょうか?

ファーストフード(またはファストフード)のもとになることばは英語のfast foodという単語です。

直訳すると「速い食事」ということになるのですが、「チャチャっと作って、パパっと食べられる」という意味です。

擬音ばかりで、かえってわかりにくくなってしまいましたね(汗)。

とにかく、スピーディーに調理されて出てくる手軽な食べ物といった感じでしょうか。

ここでのポイントは、fastの発音です。

じつはこのfast foodということば、発音がイギリス英語とアメリカ英語で異なるという曲者なんです。

アルファベット

出典:photo AC

ちょっとここで学生時代を思い出して、発音記号を用いて違いを見てみましょう!

イギリス英語では【fɑːst】となり、「ファー」と音を伸ばします。

一方アメリカ英語では【fæst】となり、「ファ」と伸ばしません。

しかも「フ」の後に続くのが「ア」と「エ」の中間のような日本語にはない発音。

思い出しました!

はるか昔、学生時代の英語の先生が「エの口の形でアと発音する」と言っていたような気がします・・・。

この動画を見ると、アメリカ英語とイギリス英語のfastの発音の違いがわかると思います。

たしかに、イギリス英語(British English)のほうが、ファーと伸ばしている感じですね。

と、ここまで得た情報を踏まえて考えてみると、fast foodが日本に入ってきたときに、アメリカ英語の発音が苦手だった日本人が、発音しやすいイギリス英語の「ファーストフード」を選び今日に至る、という仮説が立てられます。

ファストフードはカタカナ表記として採用されなかったものの、読み方として間違いではないので、どちらを使ってもよいといえるかもしれませんね。

ファーストフード派とファストフード派、それぞれの意見

首をかしげる女性

出典:photo AC

とはいえ、「ファーストフードでいいんじゃない」という人たちと、「ファストフードと呼ぶべき」という意見もあるようです。

それぞれ、どのように考えているのでしょうか?

ちょっと聞いてみましょう。

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ファーストフード派の意見

・すでに日本では「ファーストフード」として浸透しているんだから、変える必要はない!
・呼び方を変えてしまうと混乱してしまうので、「ファーストフード」のままがベスト。

この意見を支持するのは、実際に商品を取り扱っている外食産業の業界や、見出し語としてすでに辞書に掲載している人たちのようです。

確かに「ファーストフードじゃないよ。ファストフードだよ」と訂正したら、「じゃあこれまで、なぜ使ってたの?」と周りから思われてしまいますよね。

最後まで自分たちの意見を「正しい」と通すのは自然なことだと思います。

では、もう一方の「ファストフード派」はどう考えているのでしょうか?

ファストフード派の意見

・「ファーストフード」と言ったらfirst foodと誤解して、second foodやthird food
 といった間違った使い方をするかもしれないから、「ファストフード」と呼ぶべき!
・ゆったりと食事を楽しむ「スローフード」の対義語なんだから、slowの反対fastを
 強調する呼び方が正しい。

なるほど。確かに一理あります。

これらの意見を支持するのは、正しいことを世に広めることが仕事である新聞社や放送局などが多いようです。

日本語の表記にこだわれば、語源に忠実に表記すべきと考えるのも当然のことかもしれません。

英語

出典:photo AC

両者の意見を聞いた後、「どちらが正しいか?結論を出してみよう!」といったところで、答えはきっと出ないでしょう。

なぜなら、外国のことばをローマ字読みをしてカタカナにした「カタカナ英語」や、外国の言葉に日本独自のアレンジを加えて使っている「和製英語」がある日本語は、よくいえば「おおらかに何でも受け入れることば」、悪く言えば「いい加減なことば」だからです。

同じことばなのに、2つの読み方が存在すると混乱しそうですが、「どちらも正解だから、好きなほうでOK」ということばがあってもいいのではないでしょうか。

そこが日本語のおもしろさであり、ことばの奥深さなのだと思います。

厳密に区別するのではなく、「あなたはどちら派?」というくらいの軽いスタンスで考えると、ことばをより楽しめるのかもしれませんね。