2018/04/07
子ども達の予防接種で任意のものを何か受けさせようかなと考えて自分が子どものときの母子手帳を見ていたんですが、百日咳とかおたふく風邪とか、いろんな病気にかかっていました。
全く覚えはありませんが、大人になってからおたふく風邪にかかる可能性はないと確認できてよかったです。調べてみたら、なかなか怖い病気だなと思いました。大人のおたふく風邪。
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大人のおたふく風邪
おたふく風邪(正式名称は「流行性耳下腺炎」)は子どもの病気だと思っていませんか?2歳~12歳の子どもの感染が多いのは事実ですが、実は大人も感染します。しかも大人になってからの方が重症化してしまう確率が高いんです。
大人のおたふく風邪の症状
・耳の下にある「耳下腺」と呼ばれる箇所が腫れます。(※発症から2日目に大きく腫れます。)
・大人の場合は38~39℃の比較的高い熱が出ます。
原因と潜伏期間
おたふく風邪の原因は「ムンプウィルス」です。患者の唾液やくしゃみなどによる飛沫や接触によって感染します。潜伏期間は2~3週間です。
大人は子どもより症状が重くなる?
大人になってからおたふく風邪にかかると、症状が重くなる場合が多いようです。耳下腺の腫れもかなり痛み、子どもの場合より高い熱も出ます。
大人の場合、体内に入ってきたウィルスを退治しようとして体が激しく抵抗するため、子どもより重い症状が出るのだそうです。さらに、大人のほうが体に疾患を持っている場合も多く、合併症を起こして重症化してしまうことも。
おたふく風邪の合併症
おたふく風邪の合併症としては、なかなか下がらない高熱、激しい頭痛や腹痛、嘔吐などの症状が見られる場合は合併症の確率が高いです。下記の合併症は全て命にかかわる危険があるため早急に受診しましょう。【髄膜炎】
約10%という高い確率で起こってしまうのが「髄膜炎」です。1日のうちに3回以上嘔吐があったり激しい頭痛にみまわれたりしたら、まず髄膜炎が疑われます。
【脳炎】
約0.2%の割合で「脳炎」になってしまう恐れがあります。上記の髄膜炎の症状に加え、意識障害やけいれんなどが見られる場合は脳炎の可能性が高いです。
【膵炎】
「膵炎」にも合併症が起こる場合があります。発熱、激しい腹痛、胃痛がその症状です。少数ですが、嘔吐などでショック状態となり症状が悪化すると「腹膜炎」を起こす場合もあります。
上記はすべて命にかかわる危険性のある病気です。救急車を呼ぶなど、早急に受診・対応してください。
続いて、男性、女性それぞれが気をつけたい合併症です。
【女性に心配される合併症「卵巣炎」】
全体の約7%の割合で発症しているので無視できない数字ですね。場合によっては婦人科の検査をすることもありますが、激しい腹痛の症状が見られる場合はまず内科を受診しましょう。
【男性に心配される合併症「耳下腺炎性睾丸炎(精巣炎・精巣上体炎)」】
20~35%という高確率でかかってしまうため、おたふく風邪に感染したとわかった時点でこの可能性を念頭におかねばなりません。
発熱、陰嚢部の腫れ(3~5倍の大きさに)、疼痛(うずくような痛み)という症状が出ます。この睾丸炎は片方だけが多いそうですが、万が一左右両方に発症して睾丸が大きなダメージをが起きてしまった場合、「無精子症」と言われる不妊症の原因となってしまいます。
感染したら仕事には支障は?
子供がおたふく風邪に感染した場合は登校禁止となりますが、おたふく風邪に感染してしまった大人についても仕事場への安易な出勤は避けるべきだと言えます。
おたふく風邪は一生に一度の病気なので、一度感染すると二度感染することはなく、また、ワクチン接種を過去に行っている人についても感染の心配はありません。
ですが、仕事場に感染歴もなくワクチンも摂取していないという人がいたとすれば、その人は感染してしまう可能性があります。人にうつす可能性のある行動は控えなければなりません。
治療方法は?
おたふく風邪の治療には、1週間~10日程度の期間を要します。その間、抗生物質を体内に注射して症状の緩和と根本治療を行います。
ワクチンはあるの?
おたふく風邪の予防接種には、ムンプスウイルスの毒性を弱めて作った生ワクチンが使われます。接種後から体内でワクチンが増殖し、約1ヶ月で十分な抗体ができます。